久々のトンネル行のブログになります。
言い訳になりますが、ありがたいことにトンネルや廃線跡を有する地域から
ツアー講師や講演などのお声がけを頂くようになり、
執筆も連載をさせて頂くなど、今回のように前々から行きたかったトンネルは
どこかに伺った流れで行くようにしています。
で、由良洞です。
和歌山県の由良町と日高町にまたがる国道23号線の旧道に残る煉瓦のトンネルで、
土木学会「日本の近代土木遺産」ではAランクです。
その昔は熊野古道の一部でもあったという歴史ある古道で、
JRきのくに線(紀勢本線)紀伊由良駅から、
国道をしばらく歩くと旧道分岐があり、
そこからずんずん上ると、由良湾の気持ちのいい眺めも見渡せます。
旧道らしい、鳥のさえずり以外の音が聞こえない静寂な道をひたすら歩くと、
鬱蒼とした樹々の合間に139mの煉瓦のトンネルが姿を現わしました。
ここまで紀伊由良駅から上ること1時間強。
ポータルはコンクリートでしたが、
素敵な佇まいに思わず感激しました!
内部も長手積みの煉瓦もよく残っていて、
地元の車もたまに通る程度の平日だったので行ったり来たりして存分に堪能しました。
素掘りやモルタル覆工のイボイボ区間もあってさらに惹かれましたが、
補修の必要性が高まっていることはトンネル内の覆工からも感じられました。
日高側のポータルは最近の工事と思われる綺麗なコンクリート改修が施され、
往時の面影はなく無機質な感じ。
致し方ないことで、このトンネルと旧道が地域に有用な存在なのだと思いました。
紀伊内原駅まで、峠道を下り、里山を歩くことさらに1時間強。
駅のシンボル、大きな1本の木が出迎えてくれて素敵でした。
何気ない峠道歩きと明治のトンネル。
自分のペースで歩けるので、大好きです。
#由良洞