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ペ・ドゥナ主演『リンダリンダリンダ』の”こぼれ話”(From the brochure of ”Linda Linda Linda”by Bea Doona) 

Linda Linda Linda 013.JPG

ペ・ドゥナ主演の名作!『リンダリンダリンダ』(2005年山下敦弘監督)のパンフレットを幸運にも入手しました。
群馬県の前橋工業高校の移転前の校舎で撮影されたのが、ちょうど10年ほど前。その際の”こぼれ話”を、今回も”ペ・ドゥナびいき”の視点からお伝えしたいと思います。

【1】ペ・ドゥナは日本の”シュークリーム”が好き!…撮影には”キムチラーメン”差し入れの気くばりも。

当時25歳になるペ・ドゥナ。スイーツ好きで、かつ今ではお酒もイケるペ・ドゥナですが、何かかわいいですね。
現在も、ソウルでさえ、日本のようなケーキ屋さんは多くないので、これはわかる気がします。そういえば、フォトエッセイ『ペ・ドゥナの東京遊び』でも新宿の『らぽっぽ』が登場していました。”キムチラ-メン”の差し入れは、同様に『空気人形』(2009年是枝裕和監督)の撮影時にも”蟹”を差し入れており、板尾(創路)さんが感動していました。気遣いの出来る女優さんなんだな、と思います。

【2】ペ・ドゥナの主演は、山下&向井(康介さん=脚本)コンビの”飛び道具”的なアイデアから、ダメモトの直接交渉で実現!

幸運にも2002年の4月、『子猫をお願い』(2001年チョン・ジェウン監督)のプロモで来日していたペ・ドゥナに山下監督が直接交渉し、「私、歌は下手ですが…」と言われながらも、内諾をとりつけたそうです。しかしその4ヶ月後、山下監督らが韓国に渡り、ペ・ドゥナ&お母上ご一行と揃ってカラオケに行ったところ、何と”Kiroro"の曲を日本語で完璧に熱唱していたペ・ドゥナ!
これ、聞きたいなあ…。曲は『Best Freind』かな?
沖縄出身の”Kiroro”を歌うペ・ドゥナ…アジアンなつながりを感じられてうれしいな。

【3】シナリオ(決定稿)からの”アドリブ変更”で名作が生まれた!

プログラムの後半には向井康介さんのシナリオの決定稿が掲載されていて、感激しました。が、その後、現場のアドリブで内容が結構変わっていて、それが向井さんの脚本に良い方向の変化をもたらす結果となっています。

<例①>
誰もいない夜の文化祭(ひいらぎ祭)の屋台通りを歩くペ・ドゥナが、「おでん、おいしいですよー」とか「クレープ、甘いですよー」など、独特のイントネーションで文字通り飛び歩くシーン。これはペ・ドゥナの即興だそうです。

<例②>
夜、隠れて屋上へハシゴ階段を上がって行く4人。最後尾のペ・ドゥナが突然笑い出し、「パンツ、見えてる!」って言うシーン。これも彼女のアドリブ。

他にも、ライヴ当日、シナリオ上では湯川潮音さん(今村萌役)が、屋上の田花子(たかこ)のマンガ喫茶?で、お酒を飲んで、酔っ払ってステージに上がる、という設定になっているんですが、ここは逆にカットしたようで、正解!に感じました。
過去の山下作品だったら”GO”だったんでしょうが、このアジャストによって”青春のほろ苦さ”が生き、プロのシンガーである湯川潮音さんの透明感あふれる”場つなぎ”の熱演を生き生きとさせました。

全編を通じ、ジェームス・イハのオリジナルのBGMとのコラボも絶妙で、「大人になる前の”人生の助走”を見事に描き出している」という、俳優の国村隼さんのコメントに、同感です。

それから、本番前夜、望の家で手料理を食べながら4人でおしゃべりするシーンで、ペ・ドゥナが響子(前田亜季さん)に好きな男子に”コクる”のを韓国語でけしかけていますが、日本語で訳すと「時間ないよ、もったいないよ、早く言わないと」となるそうです。筆者は、その直後の、ペ・ドゥナ本人の説明、「あー…好きだと言ったほうが、いいと思う!」の一言も大好きです。

【4】「バンドメンバーの4人が高校卒業から半年後に再会するとしたら?」

という質問に対し、「卒業して韓国に帰ったソンが日本に遊びに来て、3人で駅まで出迎え、その時ソン(ペ・ドゥナ)はジーンズにボーダーTシャツを着てそう」と、関根史織さん(望役)とペ・ドゥナが語っています。
”鉄”的には、新しい高架のJR前橋駅ではなく、上毛電鉄の改装前の中央前橋駅で待ち合わせたら最高!と思うんですが…。

もしかして、この映画がなかったら、4年後の『空気人形』でのペ・ドゥナの主演も実現しなかったかもしれない気がします。
山下&向井コンビの”ダメモト”のひらめきが、絶妙のタイミングと重なった奇跡。
そして、撮影前から、手弁当で裏方を支えた「高崎フィルムコミッション」の方々のご尽力。とくに、前橋工業高校の旧校舎のロケ地提供や、DVDのタイトルバックにもなった夕暮れの川沿いの素敵なロケーション(栃木県の思川?)の紹介など、並々ならぬ協力があってこそ出来あがった名画、に思います。

Fortunately, I got the brochure of "Linda Linda Linda"(Director Mr.Atsuhiro Yamashita at 2005).I could know many information when the picture had taken from the brochure. So I introduce some tidbits. Sorry to transfer to English by internet translations please.


コメント
[2] Lebahana | 2014/03/30 20:50
morikumaさま

コメントありがとうございます。

そのとおり、ペ・ドゥナってやっぱりすごいですね。
『リンダ…』では、まるで”素”でやってるように留学生の”ソン”を演じ、随所に彼女独特のコミカルな動き(俗にいう?ペ・ドゥナ節)を、これも天然のように演じているところが非凡に思います。
でも、実は勉強家で、その後、日本語も英語も、猛特訓してすっかり体得したのは、もしかしてお母様の血筋かな…とも思ったりします。

『空気人形』のパンフレットも、写真集仕立てで、是枝監督のロングインタビューも掲載されていて、なかなか素敵に思います。
[1] morikuma | 2014/03/30 17:15
「リンダ リンダ リンダ]情報の投稿ありがとうございます。

Leba-hana さんが何度も書いておられたと思いますが、ペ・ドゥナって決まった
セリフじゃなくても日本語が話せるんですね。
音に違和感ないし。 これはすごいと思います。

韓国でも活躍していて韓国語ができるという日本人の歌手がいますが、これもすごい。
外国で仕事ができる芸能人って、やはり生まれつきの言語の素養というものがあるのでしょうか。

Kiroro は私も好きです。ベタですがペ・ドゥナの「未来へ」を聞きたい。

「リンダ …」は、韓国人留学生が生徒の中に引き込まれてバンドの一員となり、
皆を感動させるパフォーマンスを見せるという筋立てが好きです。
バンドのメンバーが「地元の生徒」だけだったら、昔からテレビドラマにあるありきたりの
「青春モノ」になっていたのではないかと。
name.. :記憶

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