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ペ・ドゥナ、トロント、そして山下監督…「ばかのハコ船」

トロント国際映画祭…といえば、4年前にペ・ドゥナ主演の「空気人形」(是枝裕和監督)も出展されており、ペ・ドゥナを日本の映画界に登場させた山下敦弘監督の「ばかのハコ船」、「リアリズムの宿」も過去に出ています。

というわけで、「ばかのハコ船」(2002年)のDVDを見ました。何をやってもうまくいかない、そしてだらしのない主人公(山本浩司さん)とその彼女をめぐるストーリーで、一般的にはやや地味な存在の映画ですが、いろいろ見どころ満載でした。

◆”ペ・ドゥナ好き”にとって…「リンダリンダリンダ」のカラオケ店のお兄さん役・山本剛史さんの”怪演”がたっぷり見られます。また、主人公が中学校の廊下で好きな女の子に1対1で告白するシーンや、二股恋愛がバレた修羅場で、突然”ぷしゅ~っ”としぼんでしまう「プチ空気人形」的なシーンまであります。

◆”鉄”にとって…JR参宮線の外城田(ときだ)駅と思われる無人駅が、作品のポイントとなるシーンで登場。駅の辺りは一面の冬枯れした伊勢平野の田んぼと一本道が果てしなく続く絶好のロケーションで、JR東海色のキハ40系やキハ11系がエンジンを唸らせて脇を固めて!います。

◆”山下監督ファン”にとって…愛知県半田市出身の同監督らしく、冒頭シーンでは、主人公のカップルが勇ましく舟(ボート)で伊勢湾を横断し、志摩半島の港に入ります。また、怪優・山本剛史&山下監督の貴重な共演シーンもあります。山下監督は、田舎のお屋敷に住んでいる学生時代の同級生役で、剛史さんとの”かみ合わない”演技が見どころです。

「リンダリンダリンダ」でペ・ドゥナを起用したときも、その前の「ばかハコ」を含む”3部作”(どんてん生活、リアリズムの宿)においても、山下監督と制作・脚本の向井康介さんの”同級生コンビ”は、日本のローカリズム溢れる情景を描写するのがほんとうに上手いし、センスが抜群です!
そして、”3部作”に共通するモノ悲しさ…。ただ、「ばかハコ」で残念だったのは、ラストシーンをはじめ、それが強すぎたように感じたこと。特に女優陣のキャラが立っていただけに惜しまれます。

なお、「ばかハコ」はTSUTAYAでも置いてない店舗が多いかもしれません。今回は蒲田店で、380円で「お取り寄せ」しました(なので蒲田店にはあるはず…)。

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