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ペ・ドゥナ主演短編「チャンオクの手紙」、”素”のペ・ドゥナが挑む在宅介護(Doona' s new short film directed by S.Iwai)

”ネスレシアター”で無料公開中の「チャンオクの手紙」(岩井俊二監督・
全4話)を早速観ました。
では(ネタバレにならないつもりで)恒例の”ペドゥナびいき”の視点で感想を。

◆ペ・ドゥナが初めて挑む「介護」、素のペ・ドゥナが垣間見えた!

自動車セールスマンの夫が全く面倒を見ない、義母の介護に挑む専業主婦役のペ・ドゥナ。明らかにペ・ドゥナ史上初の役柄ですが、辛いはずの毎日を、
どこか”素”のペ・ドゥナで演じています。”Tokyo Filmex 2014"や、
”さぬき映画祭2016”で垣間見えた、あのチャーミングなペ・ドゥナが、
カフェでママ友としゃべるシーンなどでちらりと見られます。

◆ヤセた?いや「空気人形」”のぞみ”の体形をそのまま保持しているペ・ドゥナの”努力”!

ラストにベッドの上に普段着でゴロンと寝っ転がるシーンがあるのですが、
ロングのスカートから白いソックスの足が見えました。
驚きましたが、「空気人形」から8年、体形を見事に保持しています。「sense8」(ウオウシャウスキー監督・米ネットドラマ)での厳しい格闘
トレの成果もあるとは思いますが、なんといっても韓国で初めてルイヴィトンの公式モデルとして活躍する奇跡の女優、ならではです。

◆岩井組のセンスが冴える!ソウルの光を捉えた見事なカメラ!

ロケは高級マンションの一室をはじめ、ソウル市内と思われるカフェ、そして
京畿道の水原あたりの風景も出てきます。ソウル・フィルムコミッション協力がうれしい!
決してアップに頼らず、ソウルらしい光線を巧く画面に取り込んだカメラにも
感激しました。大好きなソウルを日本人がこんなに素敵に撮った、と。

◆”ペ・ドゥナ節”もところどころに出て、最後に夫からご褒美のグラスワイン!

もともと、映画製作者の意図をくみ取って体に染み込ませるタイプのペドゥナ。今回は「介護」という重いテーマでしたが、岩井監督の演出もあって、
重くなり過ぎないように、それを自然に演じ、久々に、肩の力の抜けた
彼女本来の演技が随所に見られました。
後半、ボブの髪を後ろで無造作に束ねた姿は、15年前の「吠える犬は噛まない」(ポン・ジュノ監督)を思い出させたし、「介護」も、ニュアンスは異なりますが、「復讐者に憐れみを」(パク・チャヌク監督)で、障がい者の彼と同棲していたシーンを思い出しました。さらに、口汚い義母とのやりとりは、「子猫を
お願い」(チョン・ジェウン監督)での、あのペ・ドゥナの実のお母様、舞台女優キム・ファヨンとの1度きりの共演シーンを彷彿とさせました。

そして、本作のラストで、実は大のワイン好きの彼女が、(たぶん)漢江の
見える午後の展望レストランで、赤ワインを一口!
「おいし…」とこれ、ホンモノでしょうね。
やっぱり、”コピ”よりワイン、ペ・ドゥナの大好物だから。

◆岩井監督の意識した「空気人形」?ラストの涙は?

個人的に思うのは、岩井監督は是枝(裕和)監督の「空気人形」を意識していたのでは?と。
ラストに”涙”のシーンがありますが(ネタバレになるので、そこまで)、
「空気人形」の”涙の夜のレストラン”、今はなき天王洲アイルの運河に沿った
レストランでロケした夢のバースデイパーティのシーンを、
とこかで意識されていたのではないかと思いますし、
岩井監督ならではの素晴らしい表現を受けて、ペ・ドゥナが演じきっています。


それにしても、こんな素敵なフィルムが無料で観られるなんて、便利な世の中になったな、と感じました。中学生の2人の子供を持ち、スマホのLINEを使いこなす(そこだけ「東京タラレバ娘」みたいな)ペ・ドゥナ。

昨夏韓国で大ヒットした映画「トンネル」もいよいよ公開準備に入った模様で、
初夏あたりの日本公開が期待されます。
こちらも、不慮の事故に遭った夫の無事を祈る妻の役。
すごく楽しみです!!

#ペドゥナ、#チャンオクの手紙、#岩井俊二、#ペドゥナ短編、#doonabae


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